
全ての血液細胞のもととなる造血幹細胞が腫瘍化して発症する血液腫瘍で、白血球が著しく増加してしまう病気です。病気の進行状態によって、慢性期、移行期、急性期に分けられます。急性期には治療に対して抵抗性を示します。最近は健康診断時の血液検査で白血球数の増加を指摘されて発見されることが増えています。原因は遺伝子にある染色体異常によるものです。
遺伝子内には46本の常染色体と2本の性染色体が存在していますが、慢性骨髄性白血病では、殆どのケースで9番染色体と22番染色体が途中で切断され、相手と結合する異常が認められています。この異常な染色体をフィラデルフィア染色体と呼びます。フィラデルフィア染色体を形成する原因因子は現在のところ分かっていません。遺伝子異常による疾患ですが遺伝性のものではないので自分の子供や子孫に影響がある病気ではありません。
慢性期では全身のだるさ、体重減少、皮膚のかゆみなどの他に肝臓腫大や脾臓腫大による腹部膨満感を覚えます。また胃潰瘍を合併する場合もあります。急性期では動悸、息切れ、倦怠感などの貧血症状の他、皮下出血、鼻出血、歯肉出血などの出血傾向、発熱などの感染性症状、関節痛、骨痛などが現れます。確定診断には血液一般検査の白血球数で異常な増加が認められた場合、骨髄検査を行い確定診断を行います。診断の決め手はフィラデルフィア染色体の有無です。また急性期と慢性期の識別は自覚症状の他に腹部エコーによる脾臓や肝臓の腫大の有無なども参考にされます。
治療方法は慢性期と急性期で異なります。以前までインターフェロンが用いられていましたが最近開発されたイマチニブ(グリベック)と呼ばれる薬剤が慢性骨髄性白血病に対して高い治療効果を示すことが明らかになったため、第一選択肢となりました。ただし、イマチニブは高価であることと、長期予後が不明なこと、副作用が強い事などの問題点もあり、イマチニブ投与が不適格とみなされた場合にはインターフェロンや経口抗がん剤による化学療法が行われます。
また慢性期であって、50歳以下の場合は造血幹細胞移植が行われる場合があります。現在のところ完治の期待できる唯一の治療方法ですが、白血球の型が一致するドナー(骨髄液提供者)が必要であること、移植に伴う合併症、年齢の制限などもあるため適応は慎重に検討されます。急性期の場合は慢性期と同様薬物治療が行われますが投薬量を増量して治療します。造血幹細胞移植については慢性期に比べ治療効果が低いため症状が落ち着いて慢性期に移行した段階で慎重に検討されます。
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